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border design architectsの家づくりの進め方〈実施設計その2〉


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家づくりってどうやって進めていくるのかわからなくて不安!!

本当に理想のおうちづくりってできるの?

設計事務所との家づくりって敷居が高そう・・・

というお声をよく聞くので一度皆様とのやり取りの流れや、実際に僕がどのように設計を行っているのかまとめてみようと思いました!


第4回目の今回は〈実施設計その②〉を説明をします。

第3回目の〈実施設計その①〉をまだご覧になっていない方はぜひそちらから見ていただくのがオススメです!!


も冷やした麦茶を飲みながらぜひご覧ください。


今回も打ち合わせでお持ちする順番に図面のご説明をしております。

これらの図面は皆様との打ち合わせ、見積もり、工事に使用するものとなります。

 

目次




 

border design architects の家づくりの進め方〈実施設計その②〉


 


①電気設備図



電気設備図


電気設備図は文字通り照明やコンセントなどの情報を詰め込んだ図面となります。


【記載されている情報】

・照明の種類と位置

・スイッチの位置と連動する照明の位置

・各種コンセントの種類と位置と高さ

・インターホン親子の位置と高さ

・その他リモコン関係の位置と高さ

・換気扇と給気口位置

・住宅用火災警報器の位置

・エアコン室内室外機の位置

・分電盤の位置

・使用する照明やスイッチプレートの仕様

・その他個別に必要な情報


などなどです。

ここでしっかり見ていただきたいのが、コンセントの位置と口数、スイッチとそれに連動する照明、LANの使い方、EV車、照明器具についてです。


コンセントの位置と口数

これは実際に使用することを想定してよく確認してください。使用したい電化製品が決まっている場合はもちろん困ると思いますし、ここでスマホを充電したいということも含めて足りないということがないようにした方がストレスが減ります。

またエアコンの能力によって200Vになる場合があるため、どのようなものを設置するか決まっている場合は事前に教えてください。ない場合はこちらで想定して設計いたします。


スイッチとそれに連動する照明

「実際に建物に住む」というイメージを持って確認してください。

家に帰ってから最初の照明のスイッチまでどれくらいの距離なのか、階段を上るとき、下るときに電気の入り切りをどこで行うか。毎日行うことなので慣れる部分もあると思いますが、動線に沿ったスイッチ計画が大切となります。


LANの使い方

基本的には最初無線LANにて計画を行いますが、遅延の少ない有線にしたい機器がある場合もあると思います。最近ではリモートワーク、オンラインゲームなども流行っているため、LAN位置も適した位置にあるかよくご確認ください。


EV車

最近ではEV車用の充電コンセントをご要望の方も増えてきました。専用のコンセントや200Vの専用回路が必要になるため、EV車のご購入を検討されていたらチェックすべき項目です。


照明器具

明るさについてはこちらで検討しておりますので、どういった器具がつくのか、それが好みにあうのかを楽しく見ていただければと思います。

僕らは天井に木を張ったりすることも多く、そういった場合はダウンライトを使わない計画にしています。代わりに使用するのがペンダントライトやスポットライトです。器具自体がしっかりと見えてくるものが多いので、その家に合うかどうかのデザイン性も注意深く検討して計画しています



 


②建具表


建具表

建具詳細図


各部屋に付く扉をそれぞれ種類ごとに書いた図面となります。既製品を使わないことが多いので、基本的には製作するものが書かれています。


【記載されている情報】

・使用する部屋

・扉の仕上げ

・枠材の種類

・ガラスの有無と種類

・金物の種類

・姿図と縦横寸法

・その他各住宅に必要な情報


などなどといったところです。

確認していただきたいこととしては、扉の仕上げ、鍵の有無、その他必要な機能


・扉の仕上げ

こちらは基本的にはサンプルを交えてお話します。それが気に入るかどうかご確認いただければと思います。木仕上げの場合は着色することもできます。基本的には空間にあった色をご提案しますので、そこで精査していただければと思います。


・鍵の有無

何もご要望がなければ、内部扉に関してはトイレのみ表示錠を付けています。寝室やそのほかの部屋にもご要望があればつけることは可能ですのでお知らせください。


・その他必要な機能

例えばキッチン戸棚が地震で開かなくなる耐震ラッチやトイレの電気がついて人が入っているかわかる明かり窓などご要望があればチェックしてください。


僕らの事務所ではこの建具表のほかに建具詳細図という図面を書く場合がございます。建具表の縮尺が1/50なのに対して建具詳細図は1/5~1/20程度で情報量が非常に多くなっています。基本的には工事打合せ用ですので、設計打合せ時には出てこない場合もございますが、職人さんと連携を取って扉一枚ずつ製作してもらうためにしっかりと情報を共有しています。



 


③天井伏図


天井伏図

床を見下ろしている平面図とは逆に天井を地面の大きな鏡で見てるような図面が天井伏図となります。そのため平面図と同じ書き方で上下反転しているような表現となっています。


【記載されている情報】

・天井の仕上げ

・天井に取り付ける機器の位置

・天井点検口の位置

・天井段差など高さの情報


などなどです。住宅の場合天井に取りつける機器も照明や火災警報器程度とそこまで多くなく、またここでの情報は基本的に他図面に記載されてることが多く、工事用、確認用という意味合いを意識しています。

この図面によって設計の不備や注意すべき部分を探しているといった感じです。

また板材やパネル材を張る場合は目地方向や割付を確認することができます。




 


④仕上げ表・仕様書


仕上表

仕様書

矩計図や展開図、天井伏図などに出てきた仕上げや下地の種別が一覧の表となったのが仕上げ表です。そのため工事用、見積用といった側面が多いと思います。

仕様書に関しては仕上げ種類や展開図などで出てくる各種金物を品番、写真とともに一覧にしています。カタログやネットなどで確認いただいていた各仕様を再度ご確認いただけるようにしています。



 


⑤外構図


外構図

外構図は敷地内の建物ではない部分の仕上げや高さを表現した図面になります。僕らの事務所では配置図よりも詳しい図面となっているため、外構図を元に配置や外構の打合せをさせていただいております。


【記載されている情報】

・敷地のどの位置に建物を建てるのか

・敷地内、隣地、道路の高さ

・外構の仕上げ

・外構で目地が発生するものはその寸法

・コンクリートブロックや塀の高さ

・散水栓、立水栓などの位置


などなどです。お家を新築される方の中には外構にこだわる方も多いと思います。僕らの事務所ではなるべくお金をかけずに立体的な外構になるように心がけてご提案しています。またご要望にもよりますが、できる限りコンクリートなどの舗装をせずに植栽も楽しんでいただけるように意識しています。さらにこだわりたい方は庭師さんにお願いする場合もございます。その場合もこの外構図などで庭の大きさや位置などを確認いただき、庭師さんに依頼しますので、とても大切な図面になります。



 


⑥構造図


構造図

建物の風圧や地震に対する耐力を担保するために構造計算を行った結果の材料の大きさや鉄筋の量などを明記した図面となります。木造の場合では伏図、軸組図、基礎伏図、地盤改良図という図面を作図しています。


2025年に法改正が行われ、基本的に木造2階建て以上、平屋でも200㎡以上の場合は構造計算が必須となりますが、今まではN値計算や壁量計算で済ませていた企業もあったと思います。

僕らの事務所では必ず構造計算を構造設計士によって行ってもらっています。耐震等級もご要望があれば取得することも可能となります。(別途申請費用が必要なケースもございます。)


構造上の耐力を担保するのはもちろんのことですが、その中で意匠とのバランスを常に確認しながら計画しています。



 


⑦申請に必要な図面


申請図

建築基準法に適合しているかを確認してもらうのに「確認申請」という申請の提出が必須となっています。詳しくは次回書きますが、その適合を示すために図面を用意する必要があります。

採光換気計算、24時間換気計算などがそこに該当します。2025年からは省エネも義務化となりますのでそちらの資料も必要となります。


 


⑧その他詳細図


詳細図

詳細図に関しては、打ち合わせで必要であれば別ですが、基本的に皆様にお見せする図面ではありません。

現場監督さんや職人さんにこちらの意図をより鮮明に伝えるために作図する図面です。


建具廻りの詳細図もあれば、家具図、外壁廻り、屋根廻り、内壁廻りやタイル割などコンセプトや空間の中でこうあるべき!!という部分はきれいに納まるように打合せのために作図します。


縮尺は1/20~1/1など様々です。材料の見付け(材料を正面に見たときの幅)やチリ(例えば枠が壁から何mm出てるとか)など1mm単位で検討をします。これは実施設計の際に書くこともありますが、多くは現場に入ってから書くことが多い図面になります。


 


⑨〈見積・確認申請〉へ続く


以上が実施設計で作図する図面とその解説になります。


それぞれが役割を持った図面となり、適切に運用しながら打合せをすることで「こんなはずじゃなかった・・・」「やっぱりこっちがよかった・・・」ということを最大限減らすことができます。


それぞれの図面は打合せで説明し、話し合って、変更となれば図面を直してお持ちするという流れになります。こちらの意図を強制することはございません。なぜそのようにデザインしたかの説明をお聞きいただき、ご理解いただけたらそれで進めるという形で進んでいきます。


ハウスメーカーや工務店と違い、設計事務所は設計監理が仕事になります。そのため設計意図を伝える「図面」には事務所ごとの想いがあります。僕らの事務所ではわかりやすく楽しく打合せできる図面を心がけています。皆様と楽しい打合せができることを楽しみにしています。


次回は〈見積・確認申請〉となります。

ここまでは割とウキウキ気分で夢を見ることが多いですが、次回は見積という現実との闘いになります。どういったことを考えて見積に臨んでいるか書く予定ですので是非ご覧くださいませ。


 


border design architects は 愛知 名古屋 岐阜 三重 など 東海 エリアを中心に木造住宅の新築、戸建て・マンションリノベーション、店舗や家具などのデザインを行っています。


HPやインスタなどからお気軽にお問い合わせください!


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