家づくりってどうやって進めていくるのかわからなくて不安!!
本当に理想のおうちづくりってできるの?
設計事務所との家づくりって敷居が高そう・・・
というお声をよく聞くので一度皆様とのやり取りの流れや、実際に僕がどのような流れで設計を行っているのかまとめてみようと思いました!
前回までに
の流れをご説明しました!
第3回目の今回は〈実施設計その1〉のを説明をします。
説明する項目が多いので2回に分けたいと思います。
今回は打ち合わせでお持ちする順番に図面のご説明をしております。
これらの図面は皆様との打ち合わせ、見積もり、工事に使用するものとなります。
目次
border design architects の家づくりの進め方〈実施設計その①〉
①実施設計のその前に
基本設計時は抽象的だった提案が、実施設計では段々と具体的なものに変わっていきます。
また一つの変更で様々な設計にかかわる部分が変わることもよくあります。
例えばサッシを大きくしたいとした場合、構造的な耐力壁がなくなってしまう場合もあります。これらがある程度図面が進んだ場合に相談されてしまうと、構造計画のやり直しなどの可能性もあります。
設計はあらゆるものが同時に進んでいることが多く、また一つの変更が様々な部分に影響を及ぼす場合もあります。
契約上、契約後に大きな平面の変更は基本的に行えませんが、どうしてもという場合はなるべく早くお伝えいただいた方が、ダメージ少なく変更が可能だと思います。
(場合によっては追加設計料が発生する場合もございます。そうならないためにも事前に注意事項として打合せ時にお話しさせていただいております)
様々の要因によってこちらで変更の提案を行うこともあれば、皆様の使い方で仕様が変わる場合もあります。
具体的になるからこそ、様々なことを決定しないといけない「決め疲れ」のようなものはあると思いますが、何か思うところや疑問に思った部分はすぐに言ってもらえると嬉しいです。家づくりのパートナーとして、心からいい家になってほしいと願っていますので遠慮など不要です。遠慮など不要です。大事なことなので二回言いました。
②平面詳細図
住宅の場合は1/50の縮尺で描くことが多い図面です。基本的には基本設計での平面図よりも詳しい情報が書かれた図面と思っていただいて大丈夫です。
ではどういったところが詳しくなって、どういったところに注意して見たらいいかご説明します。
【詳しくなった情報】
・柱を含めた構造
・実際に使用する設備
・外部建具のサイズ、種類
・内部建具のサイズ、種類
・カウンターや棚の奥行
・段差などの高さ
・各箇所有効寸法
・点検口などの位置
・床の目地方向や素材の切り替わり位置
・断熱範囲
・樋位置
・階段の蹴上、踏面、蹴込寸法
・その他各住宅に必要な情報
などなどといったところです。
この時に皆様によく見てほしいのは「カウンターや棚の奥行」「サッシ・扉のサイズ、種類」「各箇所有効寸法」です。
「カウンターや棚の奥行」は置きたいものが決まっているときに、それを載せることができるのかが重要になります。置きたいものの寸法や、品番がわかればお伝えいただければ対応します。
「サッシ・扉のサイズ、種類」は大型の家具などを購入する際に、入らないということがないようにチェックが必要です。これも大きさをお伝えいただければ入るように調整します。
「各箇所有効寸法」は例えばキッチンなど、複数人で作業したい場合に作業スペースが足りないなどならないように寸法の調整が必要になります。また冷蔵庫などのサイズもチェックすると入らないということがなくなります。
※これらすべては基本設計時に確認した上で決定しています。ですが正確な数字はこの時に初めて出てきますので、この機会に改めて確認していただいています。また具体的に進んでいくと決まってから、欲しい家電や家具などが新しく出た!!など気が変わることもあるでしょうから、それが分かった時点でお伝えください。
③立面図
立面図は1/100で表現しています。こちら基本設計時の立面図よりも詳しい情報が書かれています。どういったところが詳しくなったのか下記にてご説明します。
【詳しくなった情報】
・外壁、屋根、軒裏の仕上げ
・サッシの取付高さ
・給気換気口の位置
・給湯器の位置
・敷地内、敷地外高さの関係
・エアコン室外機の位置
・斜線制限など法規書き込み
・構造設計を根拠とした高さ寸法
・その他各住宅に必要な情報
などなどです。基本的には外観形状の図面になります。ですが実際の肉眼での見え方とは異なりますのでパースや模型など別で確認するものがあればそちらで確認されてもいいと思います。
④矩計図
矩計図は1/50で表現しています。平面図が水平に切った面を表現するのとは逆に、矩計図は垂直に切った面を表現しています。基本図で提出している断面図がもっと詳しくなった図面となります。どういったところが詳しくなったのか下記にてご説明します。
【詳しくなった情報】
・建物全体の高さ
・各階床の高さ
・各部屋の天井高さ
・基礎を含めた構造
・屋根、外壁下地や仕上げの仕様
・屋根形状・勾配
・地盤面との関係
・隣地との高さ関係
・断熱範囲
・軒の出寸法
・その他各住宅に必要な情報
などなどです。基建物を建てる上で性能面が一目でわかる図面となりますので非常に重要となります。
ですが専門的な図面になりますので、主には天井高さと仕上げなどをチェックされるくらいでいいと思います。
各部屋の細かい図面は展開図という図面で表現しておりますので、皆様が様々思いを巡らせる図面は平面詳細図と展開図が主となると思います。(時々立面図も)
⑤展開図
おそらく皆様が一番にらめっこする図面「展開図」の登場です。今までの図面は基本的に家全体の構成や構造を示していましたが、この図面は部屋単体が対象となります。リビングならリビングの壁をすべて正面から見たように描いています。シンプルな四角い部屋であれば東西南北の四面は最低でも描く図面です。どういった内容が描かれているか下記にてご説明します。
【内容】
・壁それぞれを正面から見るように図示
・仕上げの種類とその範囲
・天井高さ
・内外部建具の種類と高さ
・棚やカウンターの奥行き
・家具、固定棚、カウンターの高さ
・使用する金物の種類と取付位置
・エアコン取付想定位置
・スイッチ、コンセント位置
・給気口、換気口位置
・その他コントローラー位置
・住宅用火災警報器位置
・照明の高さ
・水廻り機器の姿図
・その他各住宅に必要な情報
などなどです。使い勝手や内観の見た目に直結した図面になります。僕らの事務所は展開図になるべく多くの情報を描くようにしています。それによりイメージが湧きやすいのと、現場での失敗をより少なくする目的もあります。
この図面では主には皆様が実際に生活することを想像した上で、様々な部分での使い勝手、仕上げの明記による意匠的なイメージ、そういったところを重点的に見ていただければと思います。
⑥配置図
配置図は敷地のどこに建物があるのか、隣地との高さ関係はどのようになっているのか、全面道路はどのようなものなのか、という図面になります。
この図面自体も情報として専門性が高く、よくわからないと思いますので僕らの事務所では同様の情報に外構計画を書き込んだ「外構図」を描いておりますのでそちらを見ていただくことが多くなると思います。
配置図自体は、施工の際の建物位置を出したり、高さを出したりに使用します。また各所申請時に必要な図面でもあります。
⑦〈実施設計その②〉に続く
各業種によってそれぞれ図面の情報量や枚数が異なります。
ハウスメーカーは仕様がや規格が決まっているのでそこまで図面量は多くありません。企業によって違うと思いますが、確認申請に必要な図面のみ(5~6枚)書くというところもあると思います。
工務店は自社施工しますので、職人さんに意図が伝わるうえで、打ち合わせに必要な最低限の図面を書いています。
一方設計事務所は規格もなく、自社施工でもないため、多くの図面が必要になります。
① こちらの意図を皆様に伝えるため
② こちらの意図を施工者に伝えるため
③ 打合せをスムーズかつ皆様が想像しやすいようにいろいろな図面を書く
④ 見積りをより詳細なものになるようにいろいろな図面を書く
などなどな理由で多くの図面を描きます。そのため図面枚数もおのずと増えていってしまうので今後は情報量は変わらず、図面枚数を減らすことも必要だと思っています。(さすがに100枚は多すぎました)
日夜皆様の楽しい暮らしをお手伝いするために、いかにしてわかりやすく楽しい家づくりができるかと模索しています。そのためここに書いてある情報も更新されていくこともあると思いますが、「楽しい家づくりのために変えたんだなぁ」とあたたかな目で見守っていただけると幸いでございます。
次回は〈実施設計その2〉となります。聞いたことない図面も出てくるかもしれませんので要チェックです!!
border design architects は愛知 名古屋 岐阜 三重 など東海エリアを中心に木造住宅の新築、戸建て・マンションリノベーション、店舗や家具などのデザインを行っています。
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